塵骸魔京

※思いっきりフツーにネタバレ含むので注意※


フルコンプ。日曜からはじめたので4日間でした。
イグニス(姐さん)、風のうしろを歩むもの(ノーマルの少し上)、花輪黄葉(管理人さん)の3人がメインキャラ。ちなみに自分の言う「ノーマル」がどういうものなのかは・・・察してください。
1週当たり6時間くらい?×3。全エンディングクリア後、おまけシナリオのディディーが攻略可に。それも終わるとバカモードが発動しますが、その辺はプレイしてのお楽しみです。


九門克綺は他人との交感能力が欠けていたが、それでも親友やアパートの管理人さんなどの暖かい人たちに囲まれ、平和な日常を送っていた。
そんな克綺の前に、不可思議な事件をともなって突如現れるヒロイン達。
そして彼は知る。
彼女達こそは人外の眷属ー異界の文化と価値観を持つ、魔族の存在であると……。


なんというかどこから見てもニトロ臭のただよう作品です。人外幼女がいないことをのぞけば。
(アンリとかモーラとか、ニトロのヒロインといえば人外幼女じゃなかったの・・・くすん)
これまでのニトロ作品と大きく違うな、と感じたのは「ストーリーによって主人公の立ち位置が大きく変わること」。今までだと、例えば「正義の味方」だとか「人の死を撃ち抜く天使」だとか基本は一緒だったのに、今回は主人公の目的はもとより魔族属性まで変化します。
それに従って作品全体の勢力分布も全然違うものに。明確な「敵」として存在しているストラス製薬をのぞけば、ヒロインを含めてさまざまなキャラクター達があちらへこちらへとシナリオごとに移動して、そこが楽しめました。


戦闘はエフェクト少な目ながらも文章でガツガツ読まされました。ニトロのニトロたる所以として、十分に値段や期待以上のものを得ることが出来ました。


キャラごと。イグニス→風のうしろを歩むもの→管理人さんの順にプレイ。設定の理解やラスボスのことを考えても妥当な順番だと思いますが、3者とも全然ストーリーが違うので好きな順でもいいのではないかと。


イグニスは、ニトロヒロインによくある勝気でプライドがひたすら高いタイプ。「人類の守護者」「最も気高き刃」の名前は伊達じゃないです。
やっぱり真っ赤な衣装をまとって刀を構えた姿がカッコイイ。決まってます。でも萌えません。助けてください。
「それでは、ごきげんよう
「地獄に堕ちろ」


風のうしろを歩むもの。3人の中では一番の年下キャラ。人外に年齢を求めるのは不毛な話なのですが。自然の中で生まれ育ったボーイッシュなタイプ。
「今日は死ぬにはいい日だ」ではじまる呪文が何より印象に残りました。
うーん、「憎悪の空より来たりて」なんかもそうだけど、ニトロキャラにはああいう決め台詞が似合います。
「人外」というのが最も強調されていたのも彼女でした。他の2人はなんだかんだ言ってヒトに近い立場だったのですが、彼女だけは全くもってヒトとは関係のない環境で育ってきて、言動ひとつとっても我々の持つ文化とずれている、というのが面白かったです。
一応年下キャラに相当するはずなのですが、その役割をきっちり果たせたかに関しては疑問が残ります。


花輪黄葉。管理人さん。本編でも主人公含めて彼女を本名で呼ぶ人間が少ない少ない。おかげで今もマニュアル見なきゃ名前わかりませんでした。
散々ストーリー中で連呼されていますが、「母親」です。アパートというひとつの家族の中で子供たちを見守ってくれる温かい存在。
その正体はやっぱりあーだっりこーだったり。
萌えるとか萌えないとかそういう論評の外側。姉キャラならまだ間違って萌える余地もあるのですが、ここまで来るともはや考えるまでもなしー。シナリオ自体はそこまで悪い者でもなかったんだけど。


九門恵。苗字を見れば分かるよう、正統派妹キャラです。ただし攻略不可。なんで!ありえない!そりゃ人外じゃないからなんだろうけど、そうと分かった瞬間発狂しそうになりました。だって、こんなにフラグもいっぱいたってるのに!・・・きっとプレイヤーの8割がそう思ったに違いありません。
しかしまぁ、死にまくりです。3ルート中2ルートでさっくり殺されます。もう1つもひとつ選択し間違えば簡単に死にます。生き残ってもすでにヒトじゃありません。涙が出てくるほどのひどい扱いです。というか泣きました。おれの恵を返せ〜!!!
唯一あるHシーンもCG1枚で、しかも・・・ハァ。それでも恵たんかわいいよ恵たん。


ディディー。死神。鎌の代わりに傘をくるくると回すあの世の案内人。
いや、最後にこれはずるいです。なにこのデレっぷり。あのすね方とか絶対反則です。
おまけってことで1時間程度の短いシナリオなのですが、なんとも濃縮された高密度な1時間でした。うわはー


他所でも聞くのですが、どこか戯言シリーズに通じるものを感じました。いいとか悪いとかでなく。イグニスの赤つながりもそうだし、主人公の非人間ぷり(意味合いが違うけど)、そして重要キャラが・・・。
あと、いろんなところで見られる料理シーンがよかったです。日常シーンの中心としていい働きをしていたのはもちろん、風のうしろを歩むものとのあのシーンとか、緊迫感のアル場面?の息抜きとしてもいい味を出してました。ああ腹減ったな。